丸山の講義補助

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子どもの日:楽しいこと・面白いことと学習を接続させたい

研究室の本棚を整理してると古い資料が。研究所に勤めていた時、外部の人への一言メッセージで、こんなことを書いていました。

自己だけでなく、周辺あるいは遠くの他者、さらには人工物や自然環境をケアする概念をもとにした幸福の追求を教育の目的とし、国際比較を用いて研究しています。それは上意下達ロボットを作り出す教育ではなく、社会の一員として誰もが学習を続けられる幅広いものです。そのため、競争的な学習環境を生みやすい個人の能力向上という道具的側面より、学習成果の社会的側面を重視しています国立教育政策研究所 研究者総覧 平成25年12月:81)

今は研究者であり続けながら、教育者として勤務していますが、基本的には同じメッセージを持っています。これを書いた時期より10年ほど前には、「高校生あたりの学力はメタ認知が鍵のようだ」と国際調査から既に分かってきていたのですが、当時から研究所は深く追求する時間が大学よりも少ないと言われたほど、次から次へとプロジェクトが回っていたこともあり、私自身も目前の海外ゲストや業務などに忙殺されてました。

先日(2019年4月)、次のような情報が出てきました。

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「あぁ、国内でもこういう情報が出てくるようになり、良かった」と。世の中には、10代の多感な時期でも、東大に合格するには恋愛禁止などの教育方針がウケる空間もあるようですが、個人的に25年ほど「目的と手段を逆にとらえていたら、悲劇的なことがあるよ」と言い続けてたりします。アイドルさん達への恋愛禁止なども私には悲劇的に見える。

で、子どもの日。「今、我慢して勉強しておかないと、将来〜」という私の親世代の脅し文句は、途上国の教育現場でも「試験で良い点が取れないぞ」という初歩的な教授法としても存在しているものの、さすがにもう時代に置いてけぼりでしょう。

研究者として、どっぷり実践に浸かることができないのでツライのですが、友人の旦那様が次のような実践をされています。彼とは二度ほどお話する機会があり、ノンフォーマル教育の話題で盛り上がったように記憶するのですが、しばらく交流はありませんでした。素晴らしいなぁと思うのは、「誰だって興味があれば、自ずと学び続ける」という点から、興味の方に資源を投入していること。

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私のゼミでも、とにかく自分が好きなことを自分で確認できるように、最初にガイドします。大学院生にはコーチの方が良いのかもしれませんが、学部生にはメンターみたいな接し方が良いとも。つまるところ、日本語を母語にしていようが、異なる文化を抱えた者同士が一定の期間で何かをやるなら、万能薬みたいなものを探すのは時間の無駄かなと。その意味でも、「私は文化的差異を重視して個人に合わせた教育機会・内容を作ることに集中し、ゼミ生たちはゼミという空間で皆が支え合える関係性を作る経験をする」のを、今のところ目標にしています。

私が勝手にライバル視(笑)してるのは、こちらのゼミだったりしますけど

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