(第14章)MDGsとSDGs(暫定版)
I. SDGs
- SD課題の中で最も緊急性の高い課題は、2000年にMDGsが採択された際に世界が取り組んだ課題「極度の貧困との闘い」である。極度の貧困は、少なくとも10億人の人々の生死に関わる問題であるため、最も緊急の優先課題。
- SDSNは、世界が必要とする新しい目標や政治的動機、意志だけではなく、健康、教育、農業、都市、エネルギーシステム、生物多様性の保全などのSD課題において集中的に問題解決する新時代が到来しているという考え方。SDSNは世界中の大学のネットワーク。
II. Goal-Based Development
- MDGsは多くの強力な証拠を残した。2000年9月、UNGAはMDGsを採択... MDGsの成果として、世界の最貧国では貧困削減、疾病対策、学校教育やインフラへのアクセスの増加が顕著に加速した... なぜ国際目標が重要なのか?それは、次のような点から説明できる:
- 社会的な意義のために重要な目標である:個人や集団、政府などが目標に向けて同期した
- 国内外のプレッシャー
- 知識コミュニティの強化・連携:専門家がネットワークを形成し、目標達成のガイド・方法を示した。
- 関係者の強化:コミュニティ指導者、政治家、大臣、科学コミュニティ、NGO、宗教団体、国際機関、ドナー団体、基金などを結束させた。
- MDGsの最大の成果は、公衆衛生の分野。8つのMDGsのうち3つは健康に関するものです。
- SD課題はMDGsより大きく難しい。SDGsは、極度の貧困への取り組み継続だけでなく、社会的包摂や環境の持続可能性を含むいくつかの他の目標と統合する。
- SDGsを現実に翻訳する2つの方法:
- バックキャスティング:将来何が起こるかを想像するのではなく、目標を設定したら、それに向けて順番に何をその前年に行うべきなのか、現在まで戻していく計画手法
- テクノロジー予測配置:目標年と現在のギャップにおいて技術はどう応用・活用できるか考える
「バックキャスティング」手法の、大学2年生から考えるキャリアへの応用は、上智新聞第567号に寄稿しました。
学生が編集する、伝統ある、学内新聞@sophiatimes に依頼され寄稿しました。タイトルはご愛嬌な感じになってます。
— Hideki Maruyama (@hidekimaruyama) June 4, 2019
トップページの100分授業、私は賛成派です🤣 pic.twitter.com/3PChU4h5YN
- また、SDGsで重要な点は、関係者が複合的に関わっていること。
III. SDのための予算
- 経済学者は境界線のことを教えてくれる。実際の問題解決ができるはずの理想を前提とするならば、本来普遍的な民間セクターによるアプローチが存在する。だが、特定の重要な場合では多くの重大問題を解決できない理由が多くある。第一の場合は、課題が極貧との戦いのとき。マーケットは基本的に貧困層を無視するように設計されている...
- 援助には効果があり、特定の状況下では不可欠といえる。非常に貧しく、生死に関わる問題に直面している場合、特に重要である。絶望的に貧しい人々は、すぐに利益を生み出すような消費者ではない...そのため、貧しい人々は他の手段による援助を必要としているのである。
IV. 良いガバナンスの原則
- SDの4つの主要な次元:経済発展、社会的包摂、環境的持続可能性という伝統的な3つの次元。しかし、これら3つは、あらゆる場合において第4次元である「良い統治」の下支えを必要とする。
- 良い統治:説明責任、透明性、意思決定への参画
- 今の日本は「良い統治」が成立してますかね。。。
V. SDは実現可能か?
- SDの考え方の中には倫理の下支えがある。グローバルな SDGs への移行について語るとき、倫理の必要性と可能性についても話す。世界の宗教指導者の多くが一堂に会し、世界の宗教がSDGsのような共通のコミットメントを支える共通の倫理的基盤を共有していると宣言したことは心強いといえる。黄金率:「まず、危害を与えない」の厳守、人権、説明責任、透明性、参加を含む良い統治の基準。